HC Japan Consulting Insights|Bar Convent Berlin(BCB)のArdbegブース|プレミアムスピリッツ・ウイスキー展示会

ドイツのスピリッツ市場への参入:Bar Convent Berlin(BCB)が重要な理由

ドイツ市場における日本産スピリッツの可能性と、欧州市場参入の重要な展示会であるBar Convent Berlin(BCB)をご紹介します。

ドイツは依然として欧州有数のプレミアムスピリッツ市場ですが1、アルコール消費量の減少や消費者ニーズの変化に伴い、市場参入のハードルは年々高まっています。市場で成功するためには、明確なブランドポジショニング、カテゴリーの認知向上、そして流通事業者やバー・レストランなどオン・トレード市場への早期アプローチが重要となっています。

日本の中小企業にとって、Bar Convent Berlin(BCB)は単なる展示会ではありません。欧州の輸入業者やディストリビューターが新たなブランドを発掘・評価し、自社ポートフォリオへの採用を検討する重要なビジネスの場となっています。

ジャパニーズウイスキーはすでにドイツ市場で高い評価を確立しており、日本産スピリッツ全体に対する信頼の基盤を築いています。この評価を背景に、焼酎、泡盛、ジャパニーズクラフトジン、プレミアムリキュールなど、新たなカテゴリーにも大きな可能性が広がっています。

HC Japan Consulting Insights|Bar Convent Berlin(BCB)のArdbegブース|プレミアムスピリッツ・ウイスキー展示会

Bar Convent Berlin(BCB)のArdbegブース(プロジェクトマネジメント:林キャロリーヌ)

ドイツ市場:大きな市場から「選ばれる市場」へ

ドイツは人口約8,400万人2、GDP5.4兆米ドル3を超える欧州最大の経済大国であり、アルコール飲料市場においても欧州を代表する市場です。また、EU市場全体へのアクセス拠点としても重要な役割を果たしています。

国内には36,000店舗を超える食品小売店に加え4、酒類専門店(Getränkefachmärkte)、卸売業者、レストランやバー、ホテルなどの外食・業務用市場が発達しており、流通インフラは非常に成熟しています。

一方、市場構造は大きく変化しています。ドイツ連邦食料・農業・地域省(BMEL)の統計によると、一人当たりアルコール消費量は2010年の約137リットルから現在では115リットル未満まで減少しています5。ビールは長期的な減少傾向が続き、ワインも低水準で推移する一方、スピリッツ市場も低・ノンアルコール飲料との競争が強まっています。

しかし、この変化は市場機会の縮小を意味するものではありません。ドイツ市場は「量を売る市場」から、「選ばれるプレミアム商品が評価される市場」へと変化しています。

日本産スピリッツに影響を与える3つの市場トレンド

1. プレミアム化 ― 「量」より「価値」へ

消費量は減少する一方で、品質やクラフトマンシップ、ストーリー性を持つ商品に対しては、より高い価格を支払う消費者が増えています。スピリッツは日常消費ではなく、外食や特別な時間を楽しむための商品として位置付けられるようになっています。

日本産ウイスキーが高く評価されていることは、日本産スピリッツ全体にとって大きな追い風となっています。

2. ソバーキュリアス ― 飲酒頻度の減少と低アルコール志向

健康志向やライフスタイルの変化を背景に、特に若年層では飲酒頻度を減らしながらも、飲酒そのものを楽しむスタイルが広がっています。

この傾向は、軽やかなカクテルや低アルコールの飲み方に適したスピリッツへの需要を高めています。比較的アルコール度数の低い焼酎や日本産リキュールは、こうした新しい飲酒スタイルとの親和性が高いカテゴリーです。

3. 体験価値を重視する消費スタイル

現在の大きな変化は、「何を飲むか」ではなく「どのような場面で飲むか」にあります。
日常的な飲酒から、外食やバー、アペリティーボ文化など、人との交流や体験を重視した飲酒へとシフトしています。Aperol SpritzやHugoに代表される軽やかなカクテル人気も、この流れを象徴しています。

ジャパニーズクラフトジン、焼酎、梅酒、柚子リキュールなどは、その香味や汎用性を活かし、カクテルやスプリッツスタイルとの相性が良く、新たな市場機会が期待されています。

日本産スピリッツに広がる市場機会

ジャパニーズウイスキーは、ドイツ市場において日本産プレミアムスピリッツのブランド価値を確立しました。また、寿司、ラーメン、居酒屋など日本食文化への関心の高まりも、日本の食・酒文化全体への理解を深めています。

その一方で、焼酎や泡盛などは、製法や味わい、飲み方について十分な認知が進んでいるとは言えません。
今後の市場開拓には、輸入業者、ディストリビューター、バーテンダー、小売事業者に対するカテゴリー理解の促進と、市場に適したブランドポジショニングが重要になります。

Bar Convent Berlin(BCB)が重要な理由

ドイツおよび欧州市場への参入を目指すスピリッツメーカーにとって、Bar Convent Berlin(BCB)は業界を代表する国際展示会の一つです。

2026年に第20回を迎えるBCBには、毎年80カ国以上から約15,000人の業界関係者と500社を超える出展者が集まります。輸入業者、ディストリビューター、バーテンダー、小売事業者、ホスピタリティ業界など、プレミアムスピリッツ市場を支える関係者が一堂に会する場となっています。

日本企業にとってBCBは、

  • 欧州の有力ディストリビューターとの商談機会
  • ブランドや価格設定に対する市場評価の取得
  • 消費トレンドを牽引するバーテンダーへの認知拡大
  • 欧州市場における市場性の検証

といった多くのメリットがあります。

サントリーやニッカなどの日本ブランドも継続的に出展しており、日本産スピリッツに対する市場の信頼性向上にも寄与しています。

BCB出展を成功につなげるために

BCBへの出展は、単なる展示会参加ではなく、欧州市場参入プロジェクトとして捉えることが重要です。

成功の鍵は、展示会前・会期中・展示会後の3つのフェーズを一体的に準備することにあります。

展示会前:商談機会の創出

展示会前には、ターゲットとなる輸入業者の選定や商談アポイントの設定、欧州市場向けの商品説明資料の準備が欠かせません。

展示会期間中:商談の具体化

展示会期間中は、事前に設定した商談を中心に効率的な営業活動を行い、自社商品の価値を明確に伝えることが重要です。

展示会後:フォローアップと商談の継続

また、展示会終了後には、商談相手への迅速なフォローアップやサンプル送付、継続的なコミュニケーションが実際の取引につながります。

現地サポートが有効な理由

初めて欧州市場へ進出する企業にとっては、現地での実務支援が時間やコスト、さらには商習慣や文化の違いによるリスクを大きく軽減します。

例えば、

  • ドイツ市場に関する事前ブリーフィング
  • BCB前のディストリビューター選定
  • 有望なバイヤーとの商談機会の設定
  • ブース設営や物流・宿泊手配のサポート
  • サンプル輸送および現地運営
  • 商談時の通訳
  • 展示会後のフォローアップ支援

など、展示会の準備から商談後まで一貫した支援を行うことで、展示会への参加を実際のビジネス成果へとつなげることが可能になります

ドイツ市場への参入やBCB出展をご検討ですか?

市場参入の成功は、適切な準備から始まります。

HC Japan Consultingでは、市場調査、ディストリビューター開拓、展示会準備、現地でのプロジェクトコーディネーションまで一貫してサポートし、日本企業の欧州市場進出を支援しています。


  1. https://www.spirituosen-verband.de/pressemitteilung/jahresbilanz-des-bundesverbandes-der-deutschen-spirituosen-industrie-und-importeure-e-v-bsi-2024-mit-ausblick-auf-2025-spirituosenbranche-mit-licht-und-schatten-herausforderungen-der-branche-sind-nunmehr-deutlich-erkennbar ↩︎
  2. https://www.destatis.de/DE/Themen/Gesellschaft-Umwelt/Bevoelkerung/Bevoelkerungsstand/Tabellen/zensus-geschlecht-staatsangehoerigkeit-2025.html?nn=2110 ↩︎
  3. https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPD@WEO/WEOWORLD As of June 2026 ↩︎
  4. https://www.bmel-statistik.de/ernaehrung/ernaehrungsgewerbe/lebensmitteleinzelhandel ↩︎
  5. https://www.bmel-statistik.de/ernaehrung/tabellen-kapitel-d-und-hiv-des-statistischen-jahrbuchs 4090600-0000.xlsx Verbrauch von Getränken je Kopf ↩︎